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2024.09.30

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手待ちのムダをなくす3つの方法!手待ちのムダの定義もあわせて解説

手待ちのムダをなくす3つの方法!手待ちのムダの定義もあわせて解説

三尾 恭生

監修者

三尾 恭生

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポ―トするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車にて42年の現場経験、管理職の経験を経てOJTソリューションズに入社しました。座右の銘は「不易流行」。変える勇気と変えない勇気を持つことが大事だと信じ、現地現物でお客様と伴走しています。

多くの企業では部署の単位、チームやプロジェクト単位で商品やサービスを生み出しますが、作業者が次の作業に進もうとしても進めない状態に陥ることもあるのではないでしょうか。例えば、ライン作業で前工程から製品が流れてこなかったりトラブルにより設備が止まったりしているような状態が起こると、作業者は次の段階に進めません。

トヨタではこのような次の作業に進めない状態のことを手待ちのムダととらえています。手待ちのムダが発生すると作業において付加価値を生まない、いわゆる手持無沙汰な状態となってしまうため、職場の業務効率を著しく低下させてしまうでしょう。

本記事では手待ちのムダの概要やどのようにして解決すべきかを詳しく紹介します。業務効率を向上させたいと考えている方はぜひご覧ください。

手待ちのムダとは

トヨタでは製造現場で起こりがちなムダを7つに分けて定義し、これらをなくすことで業務効率や生産性の向上を図っています。7つのムダのひとつである手待ちのムダとは、作業者が作業を進めようとしても進められず、一時的に何もすることがない状態を指します。

具体的には、以下のような状態が手待ちのムダに当てはまるでしょう。

  • 個々の作業スピードにムラがあり、一時的に作業がない人がいる
  • 材料が欠品しているため、次の作業ができない
  • トラブルが発生し、設備が止まっている
  • ライン作業で前工程から製品が流れてこない

どの状態にしても、業務効率や生産性の低下につながります。また、スケジュールに余裕がない場合には納期遅れが発生する可能性もあり、取引先や顧客に迷惑をかけてしまうかもしれません。

手待ちのムダをなくすためには、仕事全体にかかる時間、それぞれの工程でかかる時間を把握しておくことが重要です。特に前工程から自分の工程にいつ届くのか?を把握しておくといいでしょう。同時に自分の工程がいつ終わるのか、を後工程に伝えるのも大切です。

以下の記事では「7つのムダ」を詳しく解説しています。7つのムダとはトヨタの生産方式から見た改善項目であり、製造現場で起こりがちなムダのことです。改善の具体例もまとめているので、ぜひご覧ください。

7つのムダとは?トヨタ生産方式の考え方や改善の具体例も解説

手待ちのムダを減らす3つの方法

手待ちのムダは業務効率や生産性の低下につながりますが、気づきにくいムダとも言えます。いつものやり方を疑わずに「待つのは当然」と考えてしまわないように普段から意識を持つことが大切です。

ここでは、手待ちのムダを減らす方法を3つ紹介します。

  • 「多台持ち」で手待ちの時間を有効活用する
  • 仕事の「平準化」で手待ちを撲滅する
  • 時間のかかる仕事から手を付ける

それぞれの内容を詳しく紹介します。

「多台持ち」で手待ちの時間を有効活用する

生産現場で手待ちのムダをなくすために行う施策のひとつとして、「多台持ち」が挙げられます。「多台持ち」とは、ひとりの作業者が1台だけではなく複数台の機械を担当することです。オフィスワークで言うと、例えば上司の確認を待っている間に他の仕事をするといったような、いわゆる、マルチタスクで業務を進めていくことを指します。

単体の仕事ではなく担当業務全体で考えることが大切で、複数の仕事を完全に独立させて順番におこなうのではなく手待ちの時間を有効活用し並行して着手すれば、大幅な時間短縮となるでしょう。「手待ち時間が発生する」と感じたら他にできることはないか考え、事前にタスクを複数用意しておいて何にどれくらいの時間がかかるか予測しておくのも効果的です。

仕事の「平準化」で手待ちを撲滅する

モノづくりの現場では「平準化」が必要不可欠です。「平準化」とは、前工程から後工程に送る部品の種類や量が平均化するように生産することを指し、「平準化」ができているラインはすべての工程がスムーズに進みます。手待ちのムダを解消するには「平準化」が有効で、業務効率を格段にアップできるでしょう。

「平準化」の考え方は生産現場だけにとどまるものではありません。例えば、経費清算の書類提出期限が月末になっているとしましょう。メンバーによっては期限ギリギリにまとめて書類を提出する人もいるかもしれません。ギリギリに提出する人が多いと期限間近に大量の書類が持ち込まれ、経理部はキャパオーバーとなってしまうでしょう。

しかし、月末は作業量が多い経理部ですが、他の時期は手待ち時間が発生しています。これを解消するために、メンバー全員に「1週間ごとに書類提出をする」と「平準化」の考え方を守ってもらえば、手待ち時間解消につながるのではないでしょうか。

時間のかかる仕事から手を付ける

手待ちのムダをなくすためには、時間のかかる仕事から手を付けるという方法も有効です。人は誰でも楽を求める生き物であるため、経費精算や書類整理などあまり頭を使わず、サクサク終わる仕事から取りかかろうとします。しかし、重要で時間のかかる業務は本来先に取りかからなくてはならない仕事で、後回しにすると納期が遅れて自分の首を絞めるだけではなく、後工程の作業者に手待ちが発生することになります。

コア業務や改善業務など優先度高く処理すべき業務は、自分が想定しているよりも考える時間が必要になる可能性が高く、大幅に時間を消費してしまうかもしれません。納期や締め切りなどとの兼ね合いもありますが、チームプレーを円滑に進めるためにも長い時間と労力を必要とする作業から手を付けるのが鉄則です。

短い時間でサクサク片付けられる仕事を残しておけば、仮に手待ち時間ができた時にもそれらを片づける時間に充てられるでしょう。

まとめ

トヨタでは作業者が一時的に作業できない時間を手待ちのムダと称しています。手待ちのムダを解消するためには、以下の3つの方法が有効です。

  • 「多台持ち」で手待ちの時間を有効活用する
  • 仕事の「平準化」で手待ちを撲滅する
  • 時間のかかる仕事から手を付ける

手待ちのムダが発生すると、特定の作業者が手持無沙汰になるだけではなく、納期遅れが発生して取引先や顧客に迷惑がかかる可能性もあります。手待ち時間がなくなれば一人ひとりが効率よく仕事をおこなえて、生産性が向上するでしょう。

業務効率や生産性を向上させたいとお考えの方は、ぜひ今回紹介した手待ちのムダを解消する方法を実践してみてください。

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