トヨタ式改善で現場を変えるメディア 改善ライブラリ

生産性向上

  • TOP
  • 生産性向上
  • 「標準化」と「平準化」で業務停滞の要因を断つ!仕事のムラをなくす方法や事例を紹介

生産性向上

2024.11.29

ブログをシェアする

「標準化」と「平準化」で業務停滞の要因を断つ!仕事のムラをなくす方法や事例を紹介

「標準化」と「平準化」で業務停滞の要因を断つ!仕事のムラをなくす方法や事例を紹介

丸山 浩幸

監修者

丸山 浩幸

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポートするエグゼクティブトレーナーをしています。大阪府出身、トヨタ自動車の品質管理にて41年の現場経験を経て、OJTソリューションズに入社しました。お客様の現場では「この改善、よかったで!」ともう一声の思いやりを大事に、仲間意識が高まるような改善活動ができるよう日々伴走しています。

日々の業務が滞りなく進んでいくのが望ましいですが、何かしらの要因により業務が停滞すると、生産性が下がってしまうだけでなく、納期遅れなど取引先や顧客の信用にも関わります。

トヨタには日々の業務を円滑に遂行するためのしくみとして「日常管理板」を設けています。また、日常管理板の効果をより高めるために、業務の「標準化」と仕事の負荷の「平準化」を常に図っています。特定のメンバーに仕事が偏っている職場では、スキルの偏りや個人の負担が大きく業務停滞の要因となりますが、これらは標準化と平準化をすることで解決できます

本記事では標準化と平準化を用いて業務停滞の要因を断つ方法をご紹介します。業務停滞にお悩みの方は、ぜひご覧ください。

「仕事が個人にひもづいた状況」を解消する

多くの企業でよく見られる問題が、仕事が個人にひもづいた状況ですが、もしメンバーが病気などにかかってしまえばたちまち業務が停滞してしまう可能性があります。そうならないために、まずは業務の棚卸をして部署の役割や必要なスキルを明確にする必要があります。そのうえで業務の「標準化」と「平準化」を実施するとよいでしょう。

営業職の例でいうと、長らく営業を続けてきたAさんが上役に昇進したとします。顧客の担当を外れたにも関わらず、「引き続き担当してほしい」と言われて既存顧客の対応に追われてしまうと、本来やるべき業務が滞ってしまいます。

このように、仕事が個人にひもづいている状況を放置すると、特定のメンバーに仕事が偏るだけではなく、メンバーが異動や病気になったときに穴埋めができません。さらには、そのメンバーが顧客との人脈を持って転職をすれば、利益の損失にもつながります。

「業務の棚卸し」で必要なスキルを標準化する

特定のメンバーに仕事が偏るのは、どの現場でもよくあることです。なぜ仕事が偏ってしまうのかをひもとくには、先述したとおり部署の役割や必要なスキルを明確にする必要があります。実際、多くの企業ではそれぞれの部署や役職の役割があいまいで、きちんと区別されていません。

トヨタでは現状の業務と照らし合わせながら部署や役職の役割を考えることを、「業務の棚卸し」と呼んでいます。業務の棚卸しができると、部署や役職ごとにどのようなスキルが求められているのかが明確になり、そのノウハウを体系化して教育のしくみをつくることができます

それを職場全体で展開し、より多くの人がそのスキルを身に着けることで「顧客に高い満足感を与えるためにはどのようなスキルを持っていなければならないか」という視点で物事を考えるようになるため、最終的には人材育成のマネジメントにまでつなげられます。

「平準化」して仕事のムラをなくす

業務の標準化だけではなく、平準化にも取り組むのも大切です。平準化とはメンバーやチーム間に発生している仕事量のバラツキをならして、仕事の負荷を均等に整えることを指します。製造現場では毎日目標を決めたうえで業務がおこなわれるためバラツキは起こりにくいですが、オフィスワークは仕事量が日々安定しないためにバラツキが起こりやすいです。

ときには突発的な仕事や依頼が入ることもあり、仕事のムラによって業務停滞につながることもあるかもしれません。

仕事のムラが起こりやすい現場では、マネージャーやリーダーなどの管理監督者はひとりひとりが持つ仕事量に着目しなくてはなりません。バラツキが生じていることがわかったら、見過ごさずに平準化するべきです。これは、トヨタの現場でも日々こうした管理が行われておりチーム全体がスムーズかつ安全に仕事を進められる鍵になります。

残業がかたよりがちな介護施設がとった解決策

平準化をうまく導入した事例として、ある介護施設を紹介します。その施設では入居者が個室を持ったうえで少人数のグループで1ユニットを形成し、決まった介護チームがサポートをする方法がとられていました。当然、多くの介護を必要とする人がいるユニットへのチームの負担は大きくなります。最終的にはチームによって残業時間に差が生まれてしまいました。

そのため、この施設では平準化を図るために、ひとりひとりの入居者の介護度を点数化し、各ユニットの合計点数が等しくなるよう調整しました。その結果、すべてのチームの残業時間を均等化することに成功したうえ、質の高い介護を今までよりも楽に提供できるようになりました

まとめ

多くの企業に見受けられる問題として、仕事が個人にひもづいてしまっている状況がありますが、これを放置すると本来おこなうべき業務が滞ってしまいます。そのため、生産性が低下する・取引先や顧客に迷惑がかかるなどの問題も発生しやすいです。

また、特定のメンバーに仕事がかたよっている状況も珍しくありません。この状況を解決するためにはまず部署の役割や必要なスキルを明確にしたうえで、業務の「標準化」と仕事の負荷の「平準化」をおこなうことが効果的です。業務停滞にお悩みの方はぜひこの考え方を取り入れてみてください。

ブログをシェアする

無料資料ダウンロード
面白いほどムダが見つかる
トヨタ式
「7つのムダ」

トヨタ式改善を知りたい方は
お気軽にお問い合わせください

まずは無料相談!

052-218-5530

受付時間 平日 8:45~17:45(土日祝休)

OJT

PAGE
TOP