2020.03.25
「5Sに取り組みたい」「まずは職場をきれいにしたい」と思い立ち、片づけを始める。
しかし、途中で収拾がつかなくなってしまう。あるいは、一時的にきれいになるものの、すぐに元の状態に戻ってしまう。
多くの方がご経験されているかと思います。なぜそうなってしまうのでしょうか?
その理由は、「整理・整頓の本当の意味を理解していない」からです。
多くの人が、整理・整頓=身の回りの掃除 のような認識ではないでしょうか。
トヨタでの定義は違います。定義はいたってシンプルです。
整理=捨てること 整頓=明示すること
もう少し詳しく定義するならば、
整理=いるものといらないものを分け、いらないものを捨てること
整頓=必要なものを必要な時に必要なだけ使えるように明示すること
上記のようになります。
整理と整頓はすべての基礎でトヨタは非常に重視しています。しかし、実行するのは簡単なことではありません。
整理では「いるもの」「いらないもの」の判断基準が毎回問われるからです。基準が定まっていなければ、
身の回りのたくさんのものを目の前にし、捨てていいのか悪いのか迷ってしまい、結局捨てられません。
整頓でも同じです。「何が」「いつ」「どのくらい」必要なのかわからなければ、適切な置き場を明示できません。
いる/いらないの判断基準、必要なもの/時間/量の基準 を定めることが、整理・整頓のポイントです。
たとえば、本棚の整理・整頓をしようとした場合。
本の大きさを揃えて収納する。ファイルを色別に揃えて並べる。見た目がきれいになるので、多くの人はここで満足します。
しかしこれはものを右から左に動かし、きれいに並べなおしただけの「整列」にすぎません。
不要なものを捨て、置き場所を明示していつでも必要な本が取り出せる状態にすること。これがトヨタの整理・整頓です。
・整理はいらないものを捨てること
・整頓は必要なものを必要な時に必要なだけ使えるように明示すること
・いる/いらないの判断基準を決める
・必要なもの/時間/量の基準を定める
・並べなおすのは「整列」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。