改善コラム

2020.04.03

  • 人材育成

自分の”分身”をつくる

人を育てる文化を継承する

トヨタで500人の部下を持つ課長経験のある、弊社トレーナーの一人はこう言います。

「トヨタでは仕事の成果も求められます。同時に、自分の”分身”を何人育てられたか?も評価のものさしになっていました。」


上司がその組織から去ってもうまくいくような”分身”を育てられれば、次のリーダーに人を育てる風土が受け継がれていきます。
トヨタの上司は、自分の分身を育ててから上位の職制(部下をもつ立場のリーダー)に上がっていくため、組織が停滞することはありません。
ところが多くの企業では、自分の実績を上げることに精いっぱいで、人を育てることをしないまま昇格や異動をしていきます。日々の数字や売上ばかりを追っていては、表面的に人が育っても、「人を育てる風土」が継承されていかないのです。


真のリーダーは部下を伸ばす人

トヨタでは、優秀な部下を育てる人が評価されます。
トヨタの元社長である豊田英二は、こんな言葉を残しています。

「人間がモノをつくるのだから、人をつくらねば仕事もはじまらない」


どんなに優れた設備やシステムがあり、効率的に生産するしくみをつくっても、それを活用する社員がいなければ。宝の持ち腐れになってしまうというわけです。
こうした経営トップの考え方からも、人材育成を重視していることがわかります。
トヨタでは真のリーダーは自分で答えを出したり、成果を出せる「仕事のできる人」ではありません。
評価されるのは、「部下を伸ばすことができる人」です。

トヨタの名誉会長・張富士夫はこんなことを言っています。

「トヨタは自動車会社ではなく、人材育成会社とよばれたい」
「私は大野耐一さんと、鈴村喜久雄さんにしっかり育てていただいた。自分より若い世代を育てることでしか恩返しはできないと思い、人材育成を実践してきたつもりだ」

仕事のできるリーダーは、部下に答えを与えて「このとおりにやりなさい」という指導をしがちです。この方法では、部下は指示待ち人間になり、成長しません。
部下を伸ばすリーダーは、部下に自分で答えを見つけるように促します。仕事のプロセスにこだわります。
もらった答えよりも、見つけた答えのほうが達成感をえられるので、部下はどんどん成長していきます。

 

まとめ

・次のリーダーを育てて人を育てる風土を継承する
・設備やシステムを活用する「人」が重要
・トヨタでは部下を育てる上司が真のリーダー
・部下に答えを見つけるように促して達成感を感じさせる


最後までお読みいただき、ありがとうございました。