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2025.08.15

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問題解決の8ステップ⑥「対策実施」⑦「効果確認」を解説

問題解決の8ステップ⑥「対策実施」⑦「効果確認」を解説

文室 義広

監修者

文室 義広

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポートするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車にて、製造現場の改善、販売店の事務系改善などの42年の経験をへてOJTソリューションズに入社しました。少林寺拳法で鍛えた「自他共楽」の精神を胸に、お客様の会社の社員になった気持ちで日々改善活動に伴走しています。

「問題解決の8ステップ」は、トヨタで実践される問題解決の思考法です。8つのステップを踏むことで、解決までのプロセスを着実に進めます。

  1. 問題の明確化:何が問題かを考える
  2. 現状把握:現状を理解する
  3. 目標設定:何を目指すか決める
  4. 要因解析:なぜ起きるか考える
  5. 対策立案:対策案を考える
  6. 対策実施:対策を実行する
  7. 効果確認:効果を確認する
  8. 標準化・再発防止:後戻りを防ぐ

論理的な思考による一連のステップを踏むことで、勘や経験による思い込みを排除し、効率的に問題を解決することができます。

参照記事:問題解決の8ステップとは?トヨタの問題解決プロセスを解説

本記事では、8つのステップの「対策実施」と「効果確認」について詳細に解説します。

スピーディに集中的に取り組む

まず「対策実施」のステップで重視するべきなのは、スピーディーに実施することです。というのも、環境の変化があると真因やその対策案が変化する可能性があるためです。環境変化の影響を避けるために一気に実行することを心がけます。

さらに、「対策立案」のステップで打ち出した対策案が複数あれば、すべてを実行しないと目標達成はできません。そのため、スピーディーに取り組み、1つ目の対策を実施したら、2つ目、3つ目と矢継ぎ早に実施していく必要があります。

また、対策の進捗をチェックすることも重要です。進捗を適切にチェックすることで、計画とのズレをすばやく修正したり、大きな問題に発展したりすることを防ぎます。その際に大切になるのは、報連相(報告・連絡・相談)です。タイムリーな報連相を徹底することによって、リスクを未然に防いだり、変化にすばやく対応したりできます。実行計画の中に、誰が、どの段階で確認するのかを明確にしておきましょう。

あきらめずに対策をやり抜く

対策を実施しても、なかなか成果がでないこともあります。その際には、あきらめずに能動的に対策を実施し続けることが大切です。失敗という結果を得ることも成果であるととらえて、失敗したということはそこにまだ問題があると、対策をやり抜くことで成功につながります。

また、どうしても日常業務に追われて対策実施があとまわしになってしまうケースもあります。その場合は、対策の成果を発表する期間を設けることが有効です。トヨタでもQCサークルや階層別研修といった場で、問題解決の成果発表をするしくみや制度があります。そのため、対策の実行をやり抜くことが文化として定着しています。

このように、やらないといけない理由をつくることで、対策が放置されるといった事態を防ぐことができます。また、上司は「部下が対策を実行しているか」を定期的な報連相によって確認して、フォローすることも大切です。

効果の確認は期限を区切っておこなう

対策をすべて実行したら、目標に対する「効果の確認」をおこないます。注意すべき点は、対策実行は期限内に区切り、効果の確認に移ることです。例えば、「クレーム品の発生を、12月末までに、月2件以下とする」という目標のとき、12月末までに月4件以下まで発生を抑えられたとします。目標に近づいているからといって、ズルズルと同じ対策を続けてはいけません。残された課題はあらためて「月4件のクレーム品を月2件以下に減らすにはどうするか」という視点から、次の問題解決へのテーマとします。

目標が期限内に完全達成できなかったことには要因があります。現状の把握が間違っていたのか、特定した真因が間違っていたのか、振り返り、次に活かすことが重要です。

結果だけでなくプロセスも振り返る

結果がよくても、その場かぎりの対策になっていたり、無茶な実行プロセスを踏んでいたりする場合には、注意が必要です。トヨタでは、得られた結果に必然性と継続性がなければ、正式な「結果」とは認めません。つまり、別の誰かが同じことをやっても、同様の効果を得られなかったり、続けられなかったりすれば、それはプロセスに問題があります。

実行のプロセスも振り返ることで、誰がやっても同じように結果を出し続けることができるかを確認し、次の問題解決に活かすことが大切です。

まとめ

問題解決における「対策実施」と「効果確認」は、策定した対策を現場で着実に実行し、その成果を検証するフェーズです。

対策はチーム一丸となって、スピーディかつ集中的に取り組むことが求められます。進捗は報連相を徹底し、ズレが生じた際には迅速に修正します。対策は結果が出なくても諦めずに最後までやり抜く姿勢が大切です。

また、効果確認では設定した目標の期限で成果を測定し、未達成であれば問題解決ステップを再適用します。結果だけでなくプロセスも振り返ることで、継続可能な成果につながる改善活動が実現します。

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