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2025.01.24

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問題をとらえる7つの視点!問題発見シートを活用した解決法を紹介

問題をとらえる7つの視点!問題発見シートを活用した解決法を紹介

山本 昭則

監修者

山本 昭則

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポートするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車のプレスにて39年の現場経験を経て、OJTソリューションズに入社しました。改善活動には時に大変な場面もあります。それを乗り越える笑顔、会話を特に大事にしています。休日は趣味の山小屋づくりで精神統一をし、日々の仕事の英気を養っています。

職場や現場で起こる数々の問題を解決するためには、まず何が問題であるかを発見しなければいけません。トヨタでは問題を問題として正しく認識することが問題解決の第一歩であると考えており、7つの視点から問題をとらえるように意識づけされています

本記事では、トヨタが問題をとらえる7つの視点をはじめ、問題発見シートの活用方法もご紹介します。職場で起こる問題との向き合い方にお悩みの方は、ぜひご覧ください。

問題を発見する7つの視点

職場では、目の前で起きた事象しか見えずに大事な情報を見落としてしまうこともよくありますが、それによって問題が放置されてしまわないように、トヨタでは問題をとらえる視点が意識づけされています。

  • 悩んだり困ったりしていること
  • 上位方針との比較
  • 後工程への迷惑
  • 基準との比較
  • 標準との比較
  • 過去との比較
  • 他部署との比較

上記の7つは問題を問題として正しく認識するための視点であり、問題解決の第一歩につながります。キーポイントは「比較」で、比較対象は上位方針から過去、他部署にいたるまでさまざまです。それぞれの視点を詳しく解説します。

①悩んだり困ったりしていること

トヨタでは、「問題発見シート」というツールを使い、普段自分が悩んでいること、困っていることを挙げて職場のメンバー同士で共有しています。例えば、「クレーム品が多い」「顧客情報が共有されていない」などが例で、職場全体や個人など範囲を問わずにできるだけ多く書き出していくのがポイントです。

どこから考えればよいかわからない場合は、製造業でよく使う「4M」の視点から考えると、問題の整理がしやすくなります。4Mとは人(Man)・機械(Machine)・材料(Material)・方法(Method)の頭文字を取ったものです。挙がってきた問題に対して、職場内のメンバーでで多数決をして取り組む優先順位を決めます。

②上位方針との比較

会社や部署などが決めた上位方針と自分がやっていること、自分の部署で起こっていることを比較するのも、問題発見に有効です。

例えば、会社の年間の売上ノルマが前年対比10%増であるにも関わらず、自分の部署の成績が現時点で3%しか増加していないとします。このような場合、何も対策をせずに仕事を続けていても会社の売上ノルマに貢献できず、目標達成も叶いません。このように、上位方針との乖離がある状態を認識でき、問題としてとらえられます

③後工程への迷惑

工場や製造業の場合、次の工程からクレームが来たりうまく進まなかったりするなどの状況が起こると大問題です。これはオフィスでも同様で、書類の提出が遅かったり書類の不備により差し戻しがあり上司に注意されることも問題としてとらえる必要があるでしょう。

職場や業態を問わず、後工程へ迷惑がかかるということは、顧客にも影響を及ぼす可能性があるため、深刻な問題としてとらえなければなりません

④基準との比較

ここで定義する「基準」とは正常であることの判断軸を指します。よく似ている言葉として「標準」がありますが、基準は標準と違って数値化が可能である点が特徴です。

製造業では、本来あるべき規格や仕様のズレは「不良」と認識されるため、問題が発生しているととらえる必要があります。この状態が続けば、作り直しに手間がかかるのはもちろん、顧客への商品の提供の遅れにもつながる可能性があります。

⑤標準との比較

「標準」とは、現時点でもっともよいとされるやり方や条件のことを指します。基準と違って数値化しづらいのが特徴です。職場で決められた各作業のやり方や条件が守られていない場合、メンバーが標準を正しく理解できていない、もしくは標準が全員にうまく伝わっていない可能性も考えられます。

標準と比較して物事をみることで、自分や部署が抱えている問題が見えてくるでしょう

⑥過去との比較

過去の数値や状態と現在を比較して、悪化していないか確認するのも有効です。例えば、前年の不良品率が3%だったのに、今年の不良品率が5%に上昇していたら、何かしら問題が発生していると考えるべきです。

⑦他部署との比較

会社内にいくつもの部署がある場合、自分の部署と他の部署の数値や状態を比べてみてください。例えば、経費精算書類の記入ミスが他の部署と比べて多い場合、自分の部署のやり方に問題がある可能性が高いです。

誰でも、自分の所属している部署で起こっている出来事だけに着目しがちですが、ときには他部署と比較をして問題はないか、もしくは今後問題になりそうなことはないか探すのも効果的です

まとめ

問題解決の第一歩は、問題を問題として正しく認識することです。「何が問題か」「問題の真因はどこにあるのか」を正確に判断できれば、問題が大きくなる前に手を打てるはずです

トヨタでは問題をとらえる際には、以下の7つの視点を持つよう意識づけされています。

  • 悩んだり困ったりしていること
  • 上位方針との比較
  • 後工程への迷惑
  • 基準との比較
  • 標準との比較
  • 過去との比較
  • 他部署との比較

これらの視点で総合的に物事を見ると、問題をとらえやすくなり、解決法を導き出せるはずです。職場で起こる問題とどのように向き合えばよいかお悩みの方は、ぜひ今回紹介した問題をとらえる7つの視点で物事を見てみてください。

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