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2024.09.27

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問題解決の基本となる「発生型問題解決」と「設定型問題解決」とは?問題解決力の重要性も紹介

問題解決の基本となる「発生型問題解決」と「設定型問題解決」とは?問題解決力の重要性も紹介

三尾 恭生

監修者

三尾 恭生

OJTソリューションズで、お客様の改善活動と人材育成をサポ―トするエグゼクティブトレーナーをしています。トヨタ自動車にて42年の現場経験、管理職の経験を経てOJTソリューションズに入社しました。座右の銘は「不易流行」。変える勇気と変えない勇気を持つことが大事だと信じ、現地現物でお客様と伴走しています。

トヨタで実践される問題解決は、「発生型問題解決」「設定型問題解決」「ビジョン指向型問題解決」という大きく分けて3つの種類があります。

問題とは「あるべき姿」と「現状」のギャップがある状態を言います。トヨタでは、テーマの大きさや実践する職層で問題を分類し、あるべき姿に近づけるための問題解決を行います。適切な解決を図るには問題が持つ特性やそれぞれの解決方法の概念を正しく理解する必要があります。

問題の設定と解決は決して機械化できず、人の目で問題の真因を絞り込み、解決策を考え抜くことが必要になります。そのため、問題解決力は現場に残された「最後の匠の技」とも呼べ、すべてのビジネスパーソンが身につけるべき能力のひとつでしょう。

本記事では3種類の問題解決の方法や問題解決力の重要性を紹介するので、ぜひご覧ください。

問題解決の3つの種類とは

トヨタの問題解決は大きく分けて以下の3種類です。

  • 発生型問題解決
  • 設定型問題解決
  • ビジョン指向型問題解決

それぞれ問題のとらえ方や解決方法が異なり、「発生型問題解決」→「設定型問題解決」→「ビジョン指向型問題解決」の順番で難易度が上がります。

本記事では問題解決の基本となる「発生型問題解決」と「設定型問題解決」の特徴や違いを主に解説していきます。

発生型問題解決

「発生型問題解決」は、日々発生する問題を解決することです。例えば、今日発生した問題や、慢性化して日々困っているような問題に対する取り組みです。

現状があるべき姿に到達していれば問題は起こりませんが、本来あるべき姿とはかけ離れている際、さまざまな問題や困りごとが起こります。

ここでのあるべき姿とは、現在の目標や基準、標準のことを指します。具体的な問題としては「不良品の多発」「必要以上に在庫が余っている」などが挙げられるでしょう。

製造業の現場に限らず、オフィスでも「書類ミスの多発」「営業担当者のアポ獲得数が足りていない」などが例として挙げられ、いずれも一般層が対象です。

「発生型問題解決」は目の前で問題が発生している現状をマイナスの状態ととらえ、ゼロの状態に戻すことを目標にします。

設定型問題解決

設定型問題は半年~3年後ほどの中長期で「あるべき姿」を想定し、将来的に発生すると考えられる問題を指します。

つまり、「設定型問題解決」とは新たな標準や目標に向けて起こりうる問題を解決する方法で、対象となる層は管理職層です。

中長期的な視点で「職場をどのようにしたいのか」「どのようなビジョンを実現させたいのか」を考えて今よりも高いレベルの「あるべき姿」を設定し、あえて現実とのギャップを作ることで問題を視える化します。

例えば、「不良品3%の基準は現状でも満たせているが、将来は1%を目標にする」などが挙げられるでしょう。

「設定型問題解決」を用いることで企業力はさらに向上し、利益や成長につながる可能性があります。

ビジョン指向型問題解決

「ビジョン指向型問題解決」は、「設定型問題解決」よりもさらに長期的かつ大きな視点で会社や職場をどうしたいかを解決します。

例えば、「環境に配慮した製品開発」などがあるべき姿として挙げられ、達成するために障壁となる問題を視える化して解決を図ります。

なお、対象は経営層やもっとも上位のメンバーです。

問題解決力は現場に残された「最後の匠の技」

3つの問題解決でテーマのとらえ方や大きさは異なりますが、「問題を見つけ、あるべき姿を設定し、解決策を実践する」というプロセスは同じであり、それぞれはつながっていると言えるでしょう。発生型や設定型の問題解決を職場で繰り返し実践することで、より大きな問題を解決する力が自然と育まれます

このような、自ら問題を設定し、解決する技術は機械化できるものではありません。そのため、どのような層のビジネスパーソンでも問題解決能力は必要不可欠です。「発生型問題解決」、「設定型問題解決」のいずれもモノづくりの現場だけではなく営業や企画開発などすべての現場で必要とされるでしょう。

まとめ

トヨタには目の前の問題を解決する「発生型問題解決」、将来のあるべき姿を設定し意図的に問題を作り解決する「設定型問題解決」、さらに遠い未来のあるべき姿に焦点を当てる「ビジョン指向型問題解決」の3つが存在します。

さまざまな業務が機械化・自動化されても、問題の設定や解決は人の手でしかできないというのがトヨタの考え方です。

問題の設定や解決にお悩みの方は、ぜひ今回紹介した問題解決の方法を実践してみてください。

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